毎年この時期になると「来年はこうなる」的な本が発売されますが、本書もそんな予測本の一冊であります……が、著者に注目してください。
「渡邉哲也」先生です。
Amazonで本を購入する読書家のみなさんには今さら説明不要でしょうが、リーマンショックを予言し、中国株大下落を的中させた方であります。
それに、出版社が徳間書店となれば、内容にハズレはないでしょう、たぶん。
しかも、来年2019年は中華人民共和国が建国70周年という節目の年。
慶祝すべき年なのですが、はたしてどうなるのでしょう……というか、タイトルで答えが出ていますね。
中国にとっては、お祝いとは程遠い年になりそうです。
さて、気になる本書の構成ですが、本文221ページで4章立てです。
本文の最後に10ページほどのエピローグがあり、これが本文のまとめとなっています。
第1章「いよいよ中国で本当の崩壊が始まった」では、アメリカの対中制裁によって中国がどのような状況になっているのかを紹介。
中国経済の苦境は隠しようもなく、すでに崩れ始めていることがわかります。
第2章「国際社会の中国排除が本格化」では、中国国内ではなく他国の対中政策の現状を紹介。
日米の対中包囲網の効果はもちろん、中国自身の失策によって、世界的に総スカンをくらいつつある状況を指摘しています。
第3章「アメリカの分断とヨーロッパの解体で起こる大動乱」では、中国だけでなくアメリカもヨーロッパも中東もグダグダであることを指摘。
次のリーダーが見えない世界の不安が混迷に拍車をかけ、それが米中対立を加速させている面もあると分析しています。
世界的な混乱の中で中国が日米欧による利権の草刈り場になるとも。
第4章「2019年日本に訪れる大チャンス」は、日本の話題。
改元と新天皇即位の礼、日本開催のラグビーワールドカップ、大阪開催のG20など、2019年はイベントが目白押し。それが2020年のオリンピックまでつながり、(いろいろ問題はあるけれど)日本は新しい時代に入っていくとしています。
エピローグ「大混乱の世界で日本の黄金期が始まる」は、本書の趣旨をまとめたような内容。
時間がない方も、ここだけは読んでください。
外国人労働者問題への渡邉先生の解答も書かれています。
さてさて、本書は内容的に徳間書店から5月末に刊行された『これからヤバイ米中貿易戦争』の「答え合わせ」の面もあります。
手元にお持ちの方は読み比べてみてください。
わずか半年の間に事態が急テンポで進んでしまったことに驚くことでしょう。
たとえば、『これから~』で指摘されていたZTEとファーウェイの問題。
アメリカ国内で一応の手打ちはあったものの、すでに本格的な排除に動き出しており、オーストラリアなど関係諸国も追随。ついに日本までも政府が排除の方針を決めたことが本書の中で語られています。
ついこの間まで、ソフトバンクがZTEと共同で5Gの実験をするとかしないとか報道されていたことを思えば、変化のスピードについていけません……。
本当に国際政治は時々刻々と動く生き物なのですね。
次にまた渡邉先生の米中本が出たら、進展具合をチェックするのもおもしろいと思います。
余談ですが、本書をお持ちの方はカバーを取って表紙を見てください。
赤ベタかな……と思いきや、ワンポイントで米中激突のイラストが入っています。
こんなちょっとした遊び心が素敵です。
また、『これからヤバイ米中貿易戦争』のレビューで私は「緊急出版とはいえ著者近影くらい入れたほうが」と文句を書いたのですが、本書のオビにはカラーで著者の写真が入っておりまして、文句のつけようがございません。
そんなデザイン面も含めて☆は満点とさせていただきました。
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2019年 アメリカはどこまで中国を崩壊させるか: そして日本が歩む繁栄の道 単行本 – 2018/11/30
渡邉 哲也
(著)
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中間選挙でアメリカ議会は上院と下院で「ねじれ」状態になった。トランプ政権は民主党と共闘しやすい中国攻撃を加速させていく! 一方の中国は2019年に建国70年記念を迎えるため、メンツとして決して譲歩できない状態だ。
2019年は欧州で英国のEU離脱、欧州議会選挙、日本では天皇陛下のご譲位、消費税増税など、国際的に大きなイベントが目白押し。
加えて徴用工問題で韓国は墓穴を掘り、朝鮮半島情勢も混沌としていく!
米中は、世界は、アジアはどう変わっていくのか。日本の行方は? 気鋭のエコノミストが分析する!
2019年は欧州で英国のEU離脱、欧州議会選挙、日本では天皇陛下のご譲位、消費税増税など、国際的に大きなイベントが目白押し。
加えて徴用工問題で韓国は墓穴を掘り、朝鮮半島情勢も混沌としていく!
米中は、世界は、アジアはどう変わっていくのか。日本の行方は? 気鋭のエコノミストが分析する!
- 本の長さ221ページ
- 言語日本語
- 出版社徳間書店
- 発売日2018/11/30
- ISBN-104198647194
- ISBN-13978-4198647193
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商品の説明
著者について
作家・経済評論家。1969年生まれ。日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年、『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告し大反響を呼んだ。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。『これからすごいことになる日本経済』『パナマ文書』『決裂する世界で始まる金融制裁戦争』(以上、徳間書店)などベストセラー多数。その他、『これからヤバイ 米中貿易戦争』(徳間書店)、『あと5年で銀行は半分以下になる』(PHP研究所)、『GAFA VS. 中国』(ビジネス社)など話題作を次々と世に送り出している。
登録情報
- 出版社 : 徳間書店 (2018/11/30)
- 発売日 : 2018/11/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 221ページ
- ISBN-10 : 4198647194
- ISBN-13 : 978-4198647193
- Amazon 売れ筋ランキング: - 660,983位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 29位経済協力
- カスタマーレビュー:
著者について
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作家・経済評論家。1969年生まれ。
日本大学法学部経営法学科卒業。貿易会社に勤務した後、独立。複数の企業運営などに携わる。大手掲示板での欧米経済、韓国経済などの評論が話題となり、2009年『本当にヤバイ!欧州経済』(彩図社)を出版、欧州危機を警告しベストセラーになる。内外の経済・政治情勢のリサーチや分析に定評があり、さまざまな政策立案の支援から、雑誌の企画・監修まで幅広く活動を行っている。
公式HP http://www.watanabetetsuya.info/
人気経済ブログ「代表戸締役 ◆ jJEom8Ii3E の妄言」
人気メルマガ渡邉哲也の今世界で何が起きているのか http://foomii.com/00049 を運営している。
連絡先はinfo@watanabetetsuya.info
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5 星
2019年で建国70周年を迎える中国の運命はアメリカの手の上、日本は大丈夫なの? その答えが書かれています。
毎年この時期になると「来年はこうなる」的な本が発売されますが、本書もそんな予測本の一冊であります……が、著者に注目してください。「渡邉哲也」先生です。Amazonで本を購入する読書家のみなさんには今さら説明不要でしょうが、リーマンショックを予言し、中国株大下落を的中させた方であります。それに、出版社が徳間書店となれば、内容にハズレはないでしょう、たぶん。しかも、来年2019年は中華人民共和国が建国70周年という節目の年。慶祝すべき年なのですが、はたしてどうなるのでしょう……というか、タイトルで答えが出ていますね。中国にとっては、お祝いとは程遠い年になりそうです。さて、気になる本書の構成ですが、本文221ページで4章立てです。本文の最後に10ページほどのエピローグがあり、これが本文のまとめとなっています。第1章「いよいよ中国で本当の崩壊が始まった」では、アメリカの対中制裁によって中国がどのような状況になっているのかを紹介。中国経済の苦境は隠しようもなく、すでに崩れ始めていることがわかります。第2章「国際社会の中国排除が本格化」では、中国国内ではなく他国の対中政策の現状を紹介。日米の対中包囲網の効果はもちろん、中国自身の失策によって、世界的に総スカンをくらいつつある状況を指摘しています。第3章「アメリカの分断とヨーロッパの解体で起こる大動乱」では、中国だけでなくアメリカもヨーロッパも中東もグダグダであることを指摘。次のリーダーが見えない世界の不安が混迷に拍車をかけ、それが米中対立を加速させている面もあると分析しています。世界的な混乱の中で中国が日米欧による利権の草刈り場になるとも。第4章「2019年日本に訪れる大チャンス」は、日本の話題。改元と新天皇即位の礼、日本開催のラグビーワールドカップ、大阪開催のG20など、2019年はイベントが目白押し。それが2020年のオリンピックまでつながり、(いろいろ問題はあるけれど)日本は新しい時代に入っていくとしています。エピローグ「大混乱の世界で日本の黄金期が始まる」は、本書の趣旨をまとめたような内容。時間がない方も、ここだけは読んでください。外国人労働者問題への渡邉先生の解答も書かれています。さてさて、本書は内容的に徳間書店から5月末に刊行された『これからヤバイ米中貿易戦争』の「答え合わせ」の面もあります。手元にお持ちの方は読み比べてみてください。わずか半年の間に事態が急テンポで進んでしまったことに驚くことでしょう。たとえば、『これから~』で指摘されていたZTEとファーウェイの問題。アメリカ国内で一応の手打ちはあったものの、すでに本格的な排除に動き出しており、オーストラリアなど関係諸国も追随。ついに日本までも政府が排除の方針を決めたことが本書の中で語られています。ついこの間まで、ソフトバンクがZTEと共同で5Gの実験をするとかしないとか報道されていたことを思えば、変化のスピードについていけません……。本当に国際政治は時々刻々と動く生き物なのですね。次にまた渡邉先生の米中本が出たら、進展具合をチェックするのもおもしろいと思います。余談ですが、本書をお持ちの方はカバーを取って表紙を見てください。赤ベタかな……と思いきや、ワンポイントで米中激突のイラストが入っています。こんなちょっとした遊び心が素敵です。また、『これからヤバイ米中貿易戦争』のレビューで私は「緊急出版とはいえ著者近影くらい入れたほうが」と文句を書いたのですが、本書のオビにはカラーで著者の写真が入っておりまして、文句のつけようがございません。そんなデザイン面も含めて☆は満点とさせていただきました。
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2018年12月1日に日本でレビュー済み
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毎年この時期になると「来年はこうなる」的な本が発売されますが、本書もそんな予測本の一冊であります……が、著者に注目してください。
「渡邉哲也」先生です。
Amazonで本を購入する読書家のみなさんには今さら説明不要でしょうが、リーマンショックを予言し、中国株大下落を的中させた方であります。
それに、出版社が徳間書店となれば、内容にハズレはないでしょう、たぶん。
しかも、来年2019年は中華人民共和国が建国70周年という節目の年。
慶祝すべき年なのですが、はたしてどうなるのでしょう……というか、タイトルで答えが出ていますね。
中国にとっては、お祝いとは程遠い年になりそうです。
さて、気になる本書の構成ですが、本文221ページで4章立てです。
本文の最後に10ページほどのエピローグがあり、これが本文のまとめとなっています。
第1章「いよいよ中国で本当の崩壊が始まった」では、アメリカの対中制裁によって中国がどのような状況になっているのかを紹介。
中国経済の苦境は隠しようもなく、すでに崩れ始めていることがわかります。
第2章「国際社会の中国排除が本格化」では、中国国内ではなく他国の対中政策の現状を紹介。
日米の対中包囲網の効果はもちろん、中国自身の失策によって、世界的に総スカンをくらいつつある状況を指摘しています。
第3章「アメリカの分断とヨーロッパの解体で起こる大動乱」では、中国だけでなくアメリカもヨーロッパも中東もグダグダであることを指摘。
次のリーダーが見えない世界の不安が混迷に拍車をかけ、それが米中対立を加速させている面もあると分析しています。
世界的な混乱の中で中国が日米欧による利権の草刈り場になるとも。
第4章「2019年日本に訪れる大チャンス」は、日本の話題。
改元と新天皇即位の礼、日本開催のラグビーワールドカップ、大阪開催のG20など、2019年はイベントが目白押し。それが2020年のオリンピックまでつながり、(いろいろ問題はあるけれど)日本は新しい時代に入っていくとしています。
エピローグ「大混乱の世界で日本の黄金期が始まる」は、本書の趣旨をまとめたような内容。
時間がない方も、ここだけは読んでください。
外国人労働者問題への渡邉先生の解答も書かれています。
さてさて、本書は内容的に徳間書店から5月末に刊行された『これからヤバイ米中貿易戦争』の「答え合わせ」の面もあります。
手元にお持ちの方は読み比べてみてください。
わずか半年の間に事態が急テンポで進んでしまったことに驚くことでしょう。
たとえば、『これから~』で指摘されていたZTEとファーウェイの問題。
アメリカ国内で一応の手打ちはあったものの、すでに本格的な排除に動き出しており、オーストラリアなど関係諸国も追随。ついに日本までも政府が排除の方針を決めたことが本書の中で語られています。
ついこの間まで、ソフトバンクがZTEと共同で5Gの実験をするとかしないとか報道されていたことを思えば、変化のスピードについていけません……。
本当に国際政治は時々刻々と動く生き物なのですね。
次にまた渡邉先生の米中本が出たら、進展具合をチェックするのもおもしろいと思います。
余談ですが、本書をお持ちの方はカバーを取って表紙を見てください。
赤ベタかな……と思いきや、ワンポイントで米中激突のイラストが入っています。
こんなちょっとした遊び心が素敵です。
また、『これからヤバイ米中貿易戦争』のレビューで私は「緊急出版とはいえ著者近影くらい入れたほうが」と文句を書いたのですが、本書のオビにはカラーで著者の写真が入っておりまして、文句のつけようがございません。
そんなデザイン面も含めて☆は満点とさせていただきました。
「渡邉哲也」先生です。
Amazonで本を購入する読書家のみなさんには今さら説明不要でしょうが、リーマンショックを予言し、中国株大下落を的中させた方であります。
それに、出版社が徳間書店となれば、内容にハズレはないでしょう、たぶん。
しかも、来年2019年は中華人民共和国が建国70周年という節目の年。
慶祝すべき年なのですが、はたしてどうなるのでしょう……というか、タイトルで答えが出ていますね。
中国にとっては、お祝いとは程遠い年になりそうです。
さて、気になる本書の構成ですが、本文221ページで4章立てです。
本文の最後に10ページほどのエピローグがあり、これが本文のまとめとなっています。
第1章「いよいよ中国で本当の崩壊が始まった」では、アメリカの対中制裁によって中国がどのような状況になっているのかを紹介。
中国経済の苦境は隠しようもなく、すでに崩れ始めていることがわかります。
第2章「国際社会の中国排除が本格化」では、中国国内ではなく他国の対中政策の現状を紹介。
日米の対中包囲網の効果はもちろん、中国自身の失策によって、世界的に総スカンをくらいつつある状況を指摘しています。
第3章「アメリカの分断とヨーロッパの解体で起こる大動乱」では、中国だけでなくアメリカもヨーロッパも中東もグダグダであることを指摘。
次のリーダーが見えない世界の不安が混迷に拍車をかけ、それが米中対立を加速させている面もあると分析しています。
世界的な混乱の中で中国が日米欧による利権の草刈り場になるとも。
第4章「2019年日本に訪れる大チャンス」は、日本の話題。
改元と新天皇即位の礼、日本開催のラグビーワールドカップ、大阪開催のG20など、2019年はイベントが目白押し。それが2020年のオリンピックまでつながり、(いろいろ問題はあるけれど)日本は新しい時代に入っていくとしています。
エピローグ「大混乱の世界で日本の黄金期が始まる」は、本書の趣旨をまとめたような内容。
時間がない方も、ここだけは読んでください。
外国人労働者問題への渡邉先生の解答も書かれています。
さてさて、本書は内容的に徳間書店から5月末に刊行された『これからヤバイ米中貿易戦争』の「答え合わせ」の面もあります。
手元にお持ちの方は読み比べてみてください。
わずか半年の間に事態が急テンポで進んでしまったことに驚くことでしょう。
たとえば、『これから~』で指摘されていたZTEとファーウェイの問題。
アメリカ国内で一応の手打ちはあったものの、すでに本格的な排除に動き出しており、オーストラリアなど関係諸国も追随。ついに日本までも政府が排除の方針を決めたことが本書の中で語られています。
ついこの間まで、ソフトバンクがZTEと共同で5Gの実験をするとかしないとか報道されていたことを思えば、変化のスピードについていけません……。
本当に国際政治は時々刻々と動く生き物なのですね。
次にまた渡邉先生の米中本が出たら、進展具合をチェックするのもおもしろいと思います。
余談ですが、本書をお持ちの方はカバーを取って表紙を見てください。
赤ベタかな……と思いきや、ワンポイントで米中激突のイラストが入っています。
こんなちょっとした遊び心が素敵です。
また、『これからヤバイ米中貿易戦争』のレビューで私は「緊急出版とはいえ著者近影くらい入れたほうが」と文句を書いたのですが、本書のオビにはカラーで著者の写真が入っておりまして、文句のつけようがございません。
そんなデザイン面も含めて☆は満点とさせていただきました。
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2018年12月25日に日本でレビュー済み
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この本がテーマとしているのは、その題名になぞらえれば、「2019年、アメリカは為替戦争を中国に仕掛けるのか?!」なのでしょう。
第1章の終わりごろで、来年行われるであろう、米中為替戦争について述べられています。
“…いずれ1997年に起こったアジア通貨危機と同じことが起こることになる。アジア通貨危機は、アメリカドルと為替レートを固定していたアジア諸国が、アメリカが採用したドル高政策によって不相応な為替レートとなり、その矛盾をヘッジファンドに狙われて通貨を空売りされ、その結果、自国通貨を買い支えられなくなって金融危機に陥り、変動相場制に移行せざるをえなくなったわけだ。(69頁)”
中国の外貨準備にはいくつかの特徴があると、53頁と65頁で繰り返して述べられています。政府や中央銀行だけでなく、国有銀行もが保有する外貨資産も勘定されていて、表面上は3兆ドルを少し割るくらいはある、ということになっておりますが、その国有銀行の外貨建て債務を相殺すると、外貨準備(ドル+米国債)は1兆5000億ドルくらいしかないのだそうです。なお2018年10月には、表面上の外貨準備は3兆を切りました。
来年3月初めから、米国は中国に対して、関税をかけていなかった残り2500億ドル分にも関税をかけてくる可能性が濃厚です。外貨準備としてのドルはますます減ります。
ドルの枯渇を見計らったところで、人民元の空売りを仕掛けられるのではないでしょうか?
そうなるとドルペッグはできなくなります。国内はインフレに陥り、猛烈な痛みをともないながら変動相場制へ移行せざるを得なくなります。
国内ではインフレになりますが、対外的には人民元安になります。
ふつうならば人民元安なのだから、輸出については有利になるはずなのですが、アジア通貨危機の時にはなかった、関税障壁や、直接的な中国製品の拒絶が、壁となってしまっているので、人民元安でもそれを乗り越えることはできません。
だから、来年3月に残り2500億ドル分にも関税がかけられてしまったならば、それはもう中国にとっては、外堀を埋められてしまったのと同じこととなるのだと思います。
あと個人的に興味を魅かれるのは、現金決済がほとんどない電子決済が主であるならば、インフレの進行はどうなるのか、ということです。いままで、非兌換紙幣のインフレは何回もおきていますが、デジタルデータのインフレというのはなかったはずなのですから…。
この本には、その他にも読みどころはたくさんあって、
・米中軍事衝突後、その戦勝資産として香港を狙っているイギリス(74頁と85頁)。
・台湾はアメリカの最前線基地になるか(89頁)。
・ブレグジットでの具体的最大の問題(128頁)、それどころかフランス版「フレグジット」も画策されていること(132頁)。
・中国と連携しすぎて、心中しそうなドイツ経済(144頁)。
・「かぼちゃの馬車」事件で表面化したサブリースのしくみ(170頁)。
・日本の銀行だのみで外貨調達する韓国の銀行(187頁)、内政の失策を反日にすり替える韓国(192頁)などなど…。
値段の割りに内容に富んだ良心的な本なので、みなさん、ぜひアマゾンで買いましょう。
第1章の終わりごろで、来年行われるであろう、米中為替戦争について述べられています。
“…いずれ1997年に起こったアジア通貨危機と同じことが起こることになる。アジア通貨危機は、アメリカドルと為替レートを固定していたアジア諸国が、アメリカが採用したドル高政策によって不相応な為替レートとなり、その矛盾をヘッジファンドに狙われて通貨を空売りされ、その結果、自国通貨を買い支えられなくなって金融危機に陥り、変動相場制に移行せざるをえなくなったわけだ。(69頁)”
中国の外貨準備にはいくつかの特徴があると、53頁と65頁で繰り返して述べられています。政府や中央銀行だけでなく、国有銀行もが保有する外貨資産も勘定されていて、表面上は3兆ドルを少し割るくらいはある、ということになっておりますが、その国有銀行の外貨建て債務を相殺すると、外貨準備(ドル+米国債)は1兆5000億ドルくらいしかないのだそうです。なお2018年10月には、表面上の外貨準備は3兆を切りました。
来年3月初めから、米国は中国に対して、関税をかけていなかった残り2500億ドル分にも関税をかけてくる可能性が濃厚です。外貨準備としてのドルはますます減ります。
ドルの枯渇を見計らったところで、人民元の空売りを仕掛けられるのではないでしょうか?
そうなるとドルペッグはできなくなります。国内はインフレに陥り、猛烈な痛みをともないながら変動相場制へ移行せざるを得なくなります。
国内ではインフレになりますが、対外的には人民元安になります。
ふつうならば人民元安なのだから、輸出については有利になるはずなのですが、アジア通貨危機の時にはなかった、関税障壁や、直接的な中国製品の拒絶が、壁となってしまっているので、人民元安でもそれを乗り越えることはできません。
だから、来年3月に残り2500億ドル分にも関税がかけられてしまったならば、それはもう中国にとっては、外堀を埋められてしまったのと同じこととなるのだと思います。
あと個人的に興味を魅かれるのは、現金決済がほとんどない電子決済が主であるならば、インフレの進行はどうなるのか、ということです。いままで、非兌換紙幣のインフレは何回もおきていますが、デジタルデータのインフレというのはなかったはずなのですから…。
この本には、その他にも読みどころはたくさんあって、
・米中軍事衝突後、その戦勝資産として香港を狙っているイギリス(74頁と85頁)。
・台湾はアメリカの最前線基地になるか(89頁)。
・ブレグジットでの具体的最大の問題(128頁)、それどころかフランス版「フレグジット」も画策されていること(132頁)。
・中国と連携しすぎて、心中しそうなドイツ経済(144頁)。
・「かぼちゃの馬車」事件で表面化したサブリースのしくみ(170頁)。
・日本の銀行だのみで外貨調達する韓国の銀行(187頁)、内政の失策を反日にすり替える韓国(192頁)などなど…。
値段の割りに内容に富んだ良心的な本なので、みなさん、ぜひアマゾンで買いましょう。
2018年12月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
1)渡邉氏の解説はYouTubeでも拝見している。さまざまな概念の定義づけが明確であって、歯切れがよく、現実を的確に分析する手法は小気味よいばかりだ。そうした渡邉氏の姿勢はこの本の中でも躍如としている。
この本は、米中対立を分析しつつ、アメリカの戦略、ヨーロッパの変化、世界の変化を語り、日本の進むべき道を説く。実に有益な本である。
2)まず、中国の凋落については大きく2面から解説される。第1は、中国経済の崩壊の面から、第2は中国が国際社会から排除されていく面である。どちらについても詳細なデータに基づいて、的確な分析がなされている。
つまるところ、中国の融資外交はすでに破綻しており、外貨準備もほとんど底をついている。また、アメリカをはじめとした各国が中国を牽制、排除している。こうした流れの中で、アメリカに替わる覇権国たらんとする中国の野望はついえて行く状況にある。
3)また、アメリカではネオコンに代わって、キリスト教福音派が政治に影響を与え始めており、ヨーロッパでは中国経済と密接な関係にあるドイツ経済が揺らいでいる。こうして世界は国境をなくそうとするグローバリズムから国境を強化しようとする方向に変化しつつある。
4)これからの日本は、オリンピックや新天皇即位などめでたい行事が並ぶ一方で、消費増税という懸念材料もある。だが、現在の日本の最大の問題点は、日本人の多くが日本の未来像に対してビジョンを持ち合わせていないことだという。その原因は、バブル崩壊後のデフレスパイラルの中で自信を失い、未来を考えることをやめたからではないかというのだ。これは手厳しいが真実をつくものだろう。
だから、世界中で国境強化、国家というものが見直されてきた今こそ、日本は日本という誇りをもって100年単位の長いスパンで目標を持てという。そのために、この本は多くの示唆を与えてくれる。祖国を愛する日本国民必読の書だと思う。だから☆5個。
この本は、米中対立を分析しつつ、アメリカの戦略、ヨーロッパの変化、世界の変化を語り、日本の進むべき道を説く。実に有益な本である。
2)まず、中国の凋落については大きく2面から解説される。第1は、中国経済の崩壊の面から、第2は中国が国際社会から排除されていく面である。どちらについても詳細なデータに基づいて、的確な分析がなされている。
つまるところ、中国の融資外交はすでに破綻しており、外貨準備もほとんど底をついている。また、アメリカをはじめとした各国が中国を牽制、排除している。こうした流れの中で、アメリカに替わる覇権国たらんとする中国の野望はついえて行く状況にある。
3)また、アメリカではネオコンに代わって、キリスト教福音派が政治に影響を与え始めており、ヨーロッパでは中国経済と密接な関係にあるドイツ経済が揺らいでいる。こうして世界は国境をなくそうとするグローバリズムから国境を強化しようとする方向に変化しつつある。
4)これからの日本は、オリンピックや新天皇即位などめでたい行事が並ぶ一方で、消費増税という懸念材料もある。だが、現在の日本の最大の問題点は、日本人の多くが日本の未来像に対してビジョンを持ち合わせていないことだという。その原因は、バブル崩壊後のデフレスパイラルの中で自信を失い、未来を考えることをやめたからではないかというのだ。これは手厳しいが真実をつくものだろう。
だから、世界中で国境強化、国家というものが見直されてきた今こそ、日本は日本という誇りをもって100年単位の長いスパンで目標を持てという。そのために、この本は多くの示唆を与えてくれる。祖国を愛する日本国民必読の書だと思う。だから☆5個。
2020年1月3日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
筆者が数年前から指摘して来た事象が現実となってきている
ただアメリカの圧力が執筆時点よりもスローなのが残念ではあるが今日本で
一番信頼のおける経済学者である
ただアメリカの圧力が執筆時点よりもスローなのが残念ではあるが今日本で
一番信頼のおける経済学者である
2019年1月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
藤井げんき氏の著作物の再確認程度の情報。最後の日本のビジョンの章に期待したが、高速でかわされた!こんなの何冊か本読んでたら書けるよ?
2020年1月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
めっちゃいい
ただそれだけ
ただそれだけ
2020年1月4日に日本でレビュー済み
2020年こそ中国崩壊!日本繁栄!!
って今の安倍政権を見て、ありえると思いますか?
いつまでこんな薄っぺらい本に大切なお金を払っているのですか。
そういえば、アメリカはイランと戦争するかもしれませんね。
中国はこの20年どことも戦争をしていないようです。
って今の安倍政権を見て、ありえると思いますか?
いつまでこんな薄っぺらい本に大切なお金を払っているのですか。
そういえば、アメリカはイランと戦争するかもしれませんね。
中国はこの20年どことも戦争をしていないようです。
2019年2月12日に日本でレビュー済み
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これからの我が国を考えるとき、われわれの気持ちの持ちようを考えさせてくれる一冊です。