【岩盤規制】とは「岩盤」のように堅固な「規制」を「役所や業界団体」などが行っていて、容易には緩和や撤廃が
できない規制という意味だが、上念氏はこのほぼ常識になりつつある規制について、果敢にもそれぞれ「実名」を挙
げて説明をしている。
本書の最初には「第1章・財務省」とあるが、まさに財務省こそは日本経済に巣食う岩盤規制をおこなっている存在
だからこそ真っ先に挙げているのだろう。
本書の副題には「既得権者の正体を暴く」とあり、実際に上念氏はそれそれの章でその岩盤規制を行っている組織
が、なぜそうした規制を続けているのかを具体的な数字とともに示している。
副題にもあるように、既得権者は闇雲に規制しているわけではなく、必ず明確な目的があってそういう規制をして
いるのだが、本書をちゃんと読めばその理由は分かるのだが、これから読もうと思っている人には少々分かり難い
かもしれないので、共通認識としてその根本的な理由だけをここに記しても、本書を読む楽しみが削がれることに
はならないと私は判断したので、それについて書いておきたいと思う。
財務省(本書第1章)であれ全農(本書第2章)であれ、彼らが岩盤規制をしている理由というのは実は非常にシ
ンプルで、それは「お金が欲しいから」という信じられないくらいに稚拙な欲望が理由になっているのだ。
そんなに金儲けがしたければ、金の為なら三途の川の排水溝に頭まで浸かってどんなに嫌なことでも何でもする
ブラック企業の商人にでもなればいいと思うのだが、そこは楽してそこそこの仕事だけをして自分にお金が入れ
ば尚更のことという有り得ないことを、平気で現実社会において実行しているのである。
役所や業界団体というのは、そうした「楽して金が入るシステム」を維持するためのもので、国民のため、業界
のためなどという崇高な理想など全く存在してはいない。
「格好良く、楽して、そこそこの金儲け」これが全てなのだ。
本書の各章をちゃんと読んでいけば、そうい結論に至ることは明確だと思うのだが、上念氏には品格があるよう
なので、そこまでハッキリとは記していないのだけれども、誰がどう読んでもまた上念氏のここ最近に本書にか
かわるメディアでの発言も考慮すれば、当然のこととしてそうした結論に至ることと思う。
もちろん、一読者である私もごく自然にそのように思った次第だ。
この単純に「楽して金が欲しい人々」というのは、じつは世界経済までその範囲を広げたとしても同じ結論に至
ってしまうのだ。
たとえば中共のトップは人民がいくら貧困に苦しんだとしても、そのこと自体はほとんど眼中にないことだろう。
そうした要因がもし中共存続のために根幹を揺るがすような事態になったすれば、はじめてそこで考えるべき重
要問題として浮上することになる。
日本の役人も同じで、彼らにとって一番重要なことは事務次官を頂点とした役人の安定収入基盤を継続させるこ
とであり、そうであるからこそどこぞの省庁の事務次官が仕事はそっちのけで必死に天下り先の確保をその重要
な仕事としていたという事実がそれを完全に証明している。
もちろんそんなことをしても、彼が得られる金というのは中小企業の社長が得られる報酬には遠く及ばない。
それでも、年間国家予算・約100兆円としても、その30%にあたる「30兆円」もの「国民の血税」が毎年失われ
ていることなる(本書235頁の内容より)。
国民の税金から「30兆円」もの無駄な税金と引き換えに、おそらくその0.1%にも遠く及ばないような金の確保の
ために無駄遣いしているという日本の状況を、我々はどう受け止めればいいのだろうか?
しかしこれが本書において上念氏が指摘するように、信じられないくらいに稚拙な「岩盤規制」の正体なのだ。
「本書・全8章」の中には、個別の「会社名」が章立てされている。
「第5章・NHK」「第8章・朝日新聞」がそれなのだが、NHKは放送法という悪法に守られながら現在では8000
億円以上の内部留保を有しているという。
放送法の定めがあるせいで、テレビが映る環境にいれば即座にNHKの受信料を支払う義務がある。
このことは本書で詳しく書かれているので、是非とも読んで欲しい。
朝日新聞はNHKのように法律で購読料支払いを義務付けられてはいないが、じつはこれも岩盤規制よって守られ
ていると上念氏は指摘する。
「実は、新聞社は普通の会社とは違い、日刊新聞法という不思議な法律で守れている。この法律のおかげで、新
聞社の株主は株式の譲渡が制限されている。おそらくその立法趣旨は、メディアが外国や特定の政治勢力に乗っ
取られることを防ぐためのものだと思う。しかし、株主が株式を譲渡できないことをいいこことに、新聞社は記
者上がりの左翼経営者がやりたい放題できる場所になってしまった。(本書213頁より)」
現実問題として、朝日新聞社がどのような経営をしているかを、上念氏は詳しいデータや資料を提示しながら、
その驚愕の仕組を明かしている(詳しくは本書をお読みください)。
このレビューでは限界があるので、あくまでも私の感想文として部分的にしか紹介はしていないのだが、本書
を読めば「岩盤規制の正体」というものが何であるのかという具体的な内容を知ることができるだろう。
それは驚くべきものであり、信じれないくらいに稚拙なものだということを知ることは、ある意味では「地獄」
に落とされるくらいに驚愕したり苦しんだりしてしまうことなのかもしれない。
しかし、それを知らずに搾取されたまま生きるか、知った上でそれと対決していくかどうかの違いは、あまりに
も大きいことにように思えて仕方がない。
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日本を亡ぼす岩盤規制 既得権者の正体を暴く 単行本(ソフトカバー) – 2018/10/26
上念司
(著)
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「岩盤規制」について正面から論じた初の本。毎年30兆円の負担増となって国民生活を苦しめる実態。
・医療費、銀行、放送・通信、農業、国有地、NHK、保育園…経済利権の本丸に切り込み、マスコミが絶対に報じない既得権の闇を白日の下にさらす。
・国民は岩盤規制が自分たちの財布からお金を盗んでいることを知っている。岩盤規制の多くはすでに歴史的な役割を終え、単なる利権と化しており、その非効率ゆえに一般の消費者が大きな損失をこうむっている。
・古い自民党体質のなごりが多くの分野で市場機能を阻害し、日本経済の発展のチャンスをつぶし、利権にむらがる特権階級を喜ばせるだけでなく、本来市場から退場すべき非効率産業をゾンビのごとく生き残らせてしまう。
・本来それを告発すべきテレビ、新聞こそ岩盤規制でオイシイ思いをしているので話にならない。古い自民党体質と対決し改革を要求するはずの野党も完全にイカれてしまい、岩盤規制の擁護に回っている。既得権者がひた隠してきた日本の大問題をあぶり出す。
・医療費、銀行、放送・通信、農業、国有地、NHK、保育園…経済利権の本丸に切り込み、マスコミが絶対に報じない既得権の闇を白日の下にさらす。
・国民は岩盤規制が自分たちの財布からお金を盗んでいることを知っている。岩盤規制の多くはすでに歴史的な役割を終え、単なる利権と化しており、その非効率ゆえに一般の消費者が大きな損失をこうむっている。
・古い自民党体質のなごりが多くの分野で市場機能を阻害し、日本経済の発展のチャンスをつぶし、利権にむらがる特権階級を喜ばせるだけでなく、本来市場から退場すべき非効率産業をゾンビのごとく生き残らせてしまう。
・本来それを告発すべきテレビ、新聞こそ岩盤規制でオイシイ思いをしているので話にならない。古い自民党体質と対決し改革を要求するはずの野党も完全にイカれてしまい、岩盤規制の擁護に回っている。既得権者がひた隠してきた日本の大問題をあぶり出す。
- 本の長さ240ページ
- 言語日本語
- 出版社飛鳥新社
- 発売日2018/10/26
- 寸法13 x 1.8 x 18.9 cm
- ISBN-104864106479
- ISBN-13978-4864106474
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商品の説明
著者について
上念 司(じょうねん つかさ)
1969年、東京都生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。
日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一教授に師事し、薫陶を受ける。金融、財政、外交、防衛問題に精通し、積極的な評論、著述活動を展開している。
1969年、東京都生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の弁論部・辞達学会に所属。
日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一教授に師事し、薫陶を受ける。金融、財政、外交、防衛問題に精通し、積極的な評論、著述活動を展開している。
登録情報
- 出版社 : 飛鳥新社 (2018/10/26)
- 発売日 : 2018/10/26
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 240ページ
- ISBN-10 : 4864106479
- ISBN-13 : 978-4864106474
- 寸法 : 13 x 1.8 x 18.9 cm
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- - 339位経済思想・経済学説 (本)
- - 52,906位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1969年、東京都生まれ。中央大学法学部法律学科卒業。在学中は創立1901年の日本最古の弁論部・辞達学会に所属。日本長期信用銀行、臨海セミナーを経て独立。2007年、経済評論家・勝間和代氏と株式会社「監査と分析」を設立。取締役・共同事業パートナーに就任(現在は代表取締役)。2010年、米国イェール大学経済学部の浜田宏一教授に師事し、薫陶を受ける。金融、財政、外交、防衛問題に精通し、積極的な評論、著述活動を展開している。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2018年10月29日に日本でレビュー済み
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2021年12月13日に日本でレビュー済み
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政治家評については根拠が今ひとつハッキリしないが、可視化した事実と論理展開により難解な規制の裏側まで踏み込んで説明しておりわかりやすい。
2018年10月31日に日本でレビュー済み
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本書の冒頭に登場する
「日本は最も成功した社会主義国家」という皮肉は
浅学な私でも知ってはいたが、本書を通読して
未だに「社会主義的岩盤規制」が残っていたとは思っていなかった
「規制緩和」ということが喧伝されて久しいからだ
本書に書かれている通り
私も「テレビを全く観ない (既存メディアを全く信用しない) ネット世代」
ではあるが、自分の「無知」、「情報弱者」ぶりを痛感させられた
本書の第1章は、悪の巣窟「財務省」
「財務省と日銀の関係」、「増税キャンペーンのカラクリ」などが紹介されている
著者である上念司氏は、「財務省的思考」のことを
「Z (財務省の頭文字) の遺伝子」と呼んでいるが
財務省以外の岩盤規制について書かれている第2章以降でも
この「Zの遺伝子」が度々登場する
「これが財務省の恐ろしさなのか」と痛感
「社会主義的岩盤規制」を打破して
「自由主義的改革」を実行する術は分かっているのに
なかなか、そちらの方向に進まないのは
「既得権をそのまま放置して、その上に新しい制度を作ろうとする」からだそうだ
これでは、岩盤規制が無くならないのも頷けるし
デフレ基調に逆戻りで、安倍政権終了である
それにしても「虎ノ門ニュース系」と「チャンネルくらら系」の
書籍にはハズレが無いね
最後に、これは私の憶測だが
最後の第8章『朝日新聞』はオマケ的な章だと思う
第8章は、単純に笑える
「日本は最も成功した社会主義国家」という皮肉は
浅学な私でも知ってはいたが、本書を通読して
未だに「社会主義的岩盤規制」が残っていたとは思っていなかった
「規制緩和」ということが喧伝されて久しいからだ
本書に書かれている通り
私も「テレビを全く観ない (既存メディアを全く信用しない) ネット世代」
ではあるが、自分の「無知」、「情報弱者」ぶりを痛感させられた
本書の第1章は、悪の巣窟「財務省」
「財務省と日銀の関係」、「増税キャンペーンのカラクリ」などが紹介されている
著者である上念司氏は、「財務省的思考」のことを
「Z (財務省の頭文字) の遺伝子」と呼んでいるが
財務省以外の岩盤規制について書かれている第2章以降でも
この「Zの遺伝子」が度々登場する
「これが財務省の恐ろしさなのか」と痛感
「社会主義的岩盤規制」を打破して
「自由主義的改革」を実行する術は分かっているのに
なかなか、そちらの方向に進まないのは
「既得権をそのまま放置して、その上に新しい制度を作ろうとする」からだそうだ
これでは、岩盤規制が無くならないのも頷けるし
デフレ基調に逆戻りで、安倍政権終了である
それにしても「虎ノ門ニュース系」と「チャンネルくらら系」の
書籍にはハズレが無いね
最後に、これは私の憶測だが
最後の第8章『朝日新聞』はオマケ的な章だと思う
第8章は、単純に笑える
2019年1月8日に日本でレビュー済み
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この著者は権力よりの発言、例えば石原慎太郎の様に中国を支那と呼ぶなど蔑視的であったり、元々朝日新聞と言えども
政府の宣伝媒体であるにもかかわらず敵視している。にもかかわらず政権と癒着しておこぼれを享受している自民党支持層の暴露情報を提供している点で思想の支離滅裂さを感じてしまう
政府の宣伝媒体であるにもかかわらず敵視している。にもかかわらず政権と癒着しておこぼれを享受している自民党支持層の暴露情報を提供している点で思想の支離滅裂さを感じてしまう
2018年10月27日に日本でレビュー済み
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「はじめに」で、上念氏は「岩盤規制で一番問題なのは、最終的に社会主義経済に行きつくという点だ。岩盤規制は自由主義経済の対極にある」と述べている。日本は自由主義経済であるにも拘わらず、ありとあらゆる業界に社会主義的な規制が存在している特異な経済構造を持っているという。
その象徴的な例として、獣医学部の新設が52年ぶりに認められた加計学園の件が挙げられる。52年もの間、獣医学部を認可申請できない事態が続いたのは、憲法違反である。憲法では自由権が規定されており、公共の福祉に反しない限り自由に経済活動を行うことができ、獣医学部の新設も設置要件を満たす限り、速やかに認可されるべきなのに、獣医師会と癒着している文科省は52年にも渡ってこれを拒否した。官僚が憲法や法律を無視して好き勝手なルールを国民に押し付けられるとしたら、憲法秩序は崩壊する。
そして、安保法制の時は「憲法を守れ」だの「立憲主義」だの主張していた野党や左翼団体が、この国民の自由を踏みにじる違法行為には蓋をし、獣医学部を新設させないという岩盤規制を守ったのである。明かなダブルスタンダードである。
この件では、憲法違反の文科省の暴挙を止めさせる側にいた安倍総理が叩かれ、獣医師会から献金を貰ってこの岩盤規制を擁護していた可能性のある議員らに切り込むマスコミは皆無である。テレビや新聞も岩盤規制によって守られている既得権益者であり、文科省の汚職官僚の仲間みたいなものである。
日本には、国民の自由な経済活動を妨害する邪な勢力が存在する。獣医学部新設問題において、文科省の利権集団、政治家、それらの片棒を担ぐマスコミなど、その勢力の一部が表に炙り出された。
上念氏はこの書で、マスコミが絶対に触れない既得権の闇を炙り出している。
最初は、上念氏毎度おなじみの財務省批判である。
どうしても日本をデフレのままにしておきたい勢力がいる。ことさらに財政危機を煽り、増税の必要性を説くのは財務省である。国と地方の負債を合わせれば確かに1200兆円にもなるが、政府と日銀の資産を合わせると1100兆円になり、純負債は100兆円である。日本のGDP500兆円と比べて、大した金額ではない。
アベノミクスはあと一歩でデフレを完全脱却するところまで来ているのに、年率プラス2%の目標に未だに達成されないのは、財務省が邪魔をしているからであり、財務省こそが日本経済復活を阻害する最悪の集団だと、上念氏は主張する。
2014年の消費税増税前、財務省は、増税の影響は軽微だし、あったとしても短期で終わると豪語していたが、これは嘘だった。増税の悪影響により、日本経済は2016年まで足踏みを余儀なくされた。2014年の消費税増税さえなければ今頃、物価目標は達成され、日本経済はデフレを完全脱却していた。景気が良くなれば税収は増える。税収が増えれば増税は不要だ。これは国民にとっては喜ばしいことだが、財務省にとってはそうではないらしい。
財務省は学者や政治家を使って財政危機を強弁し、マスコミも財務省に飼いならされ、増税プロパガンダの一翼を担っている。自民党内の反安倍勢力はむしろ財務省の手先で、金融緩和に懐疑的かつ増税に大賛成で、頼みの公明党も財務省寄りの政策スタンスである。安倍総理と菅官房長官が孤軍奮闘という情勢で、このまま予定通り増税が行われたら、再び景気の腰を折られてしまいかねない。この状況を打破する方法として、上念氏は正面突破か、それができなければ2つの裏口に絞られると、具体例を挙げている。
他に、農業、放送・通信、銀行、医療・病院、保育園等を挙げているが、一番関心を引いたのはNHKだった。
内部留保の多過ぎる企業は批判の対象になるが、中でもNHKは桁違いだ。純資産は8000億円以上あり、毎年1000億円以上の受信料が入るが、その大半は使われずに貯め込まれる。
平成29年度中間決算の貸借対照表を見ると、資産1兆2354億円に対し、負債は4014億円と半分以下である。資産の中身はというと、大半が証券であり、それも現金に近い債券ばかりである。NHKは集めた受信料を事業に投資せず、現金で貯め込んでいるに等しいのである。放送事業に使わないなら受信料を値下げするべきだし、今積み上がっている巨額の「現金」は国民に返還すべきではないか。
またNHK職員の平均年収は一般庶民の約2.5倍の1086万円。ここまで厚待遇で職員を雇っても、毎年お金が余り過ぎて巨額の資金が債券購入に回っているのである。どう見ても、NHKは国民に受信料を返還すべきだろう。
では、NHKをどうすればいいかというと、答えは簡単で、国鉄と同じように分割民営化すればいいと、上念氏は高橋洋一氏の案を紹介している。電波オークションの実施に合わせて、「公共放送NHK」と「民間放送NHK」に分割すればいい。「民間放送NHK」になる会社は、相応の対価を支払って電波帯域を競り落とさなければならない。代金は国庫に収納され、財政政策として国民に還元される。「公共放送NHK」の方は、ニュースや災害情報などをメインとするため、大した設備や製作費もかからなくなり、受信料を大幅に値下げできる。
高橋氏によると、NHKの分割案は2005年に検討されたが、当時の自民党守旧派に潰されてしまったとのこと。しかし、今は多くの国民がテレビの偏向報道に気付き、2005年とは状況が大きく異なる。NHKに対して受信料を払いたくないと思う人が増えている。
規制改革推進会議の答申によれば、平成30年度中に電波帯域の利用に関して「価格競争の要素を含む新方式」を導入するための法案が提出されるとのことで、チャンスである。我々国民は政治に力を与えて、政治の力をもって、NHKの分割民営化を進めなければならないと述べている。
その象徴的な例として、獣医学部の新設が52年ぶりに認められた加計学園の件が挙げられる。52年もの間、獣医学部を認可申請できない事態が続いたのは、憲法違反である。憲法では自由権が規定されており、公共の福祉に反しない限り自由に経済活動を行うことができ、獣医学部の新設も設置要件を満たす限り、速やかに認可されるべきなのに、獣医師会と癒着している文科省は52年にも渡ってこれを拒否した。官僚が憲法や法律を無視して好き勝手なルールを国民に押し付けられるとしたら、憲法秩序は崩壊する。
そして、安保法制の時は「憲法を守れ」だの「立憲主義」だの主張していた野党や左翼団体が、この国民の自由を踏みにじる違法行為には蓋をし、獣医学部を新設させないという岩盤規制を守ったのである。明かなダブルスタンダードである。
この件では、憲法違反の文科省の暴挙を止めさせる側にいた安倍総理が叩かれ、獣医師会から献金を貰ってこの岩盤規制を擁護していた可能性のある議員らに切り込むマスコミは皆無である。テレビや新聞も岩盤規制によって守られている既得権益者であり、文科省の汚職官僚の仲間みたいなものである。
日本には、国民の自由な経済活動を妨害する邪な勢力が存在する。獣医学部新設問題において、文科省の利権集団、政治家、それらの片棒を担ぐマスコミなど、その勢力の一部が表に炙り出された。
上念氏はこの書で、マスコミが絶対に触れない既得権の闇を炙り出している。
最初は、上念氏毎度おなじみの財務省批判である。
どうしても日本をデフレのままにしておきたい勢力がいる。ことさらに財政危機を煽り、増税の必要性を説くのは財務省である。国と地方の負債を合わせれば確かに1200兆円にもなるが、政府と日銀の資産を合わせると1100兆円になり、純負債は100兆円である。日本のGDP500兆円と比べて、大した金額ではない。
アベノミクスはあと一歩でデフレを完全脱却するところまで来ているのに、年率プラス2%の目標に未だに達成されないのは、財務省が邪魔をしているからであり、財務省こそが日本経済復活を阻害する最悪の集団だと、上念氏は主張する。
2014年の消費税増税前、財務省は、増税の影響は軽微だし、あったとしても短期で終わると豪語していたが、これは嘘だった。増税の悪影響により、日本経済は2016年まで足踏みを余儀なくされた。2014年の消費税増税さえなければ今頃、物価目標は達成され、日本経済はデフレを完全脱却していた。景気が良くなれば税収は増える。税収が増えれば増税は不要だ。これは国民にとっては喜ばしいことだが、財務省にとってはそうではないらしい。
財務省は学者や政治家を使って財政危機を強弁し、マスコミも財務省に飼いならされ、増税プロパガンダの一翼を担っている。自民党内の反安倍勢力はむしろ財務省の手先で、金融緩和に懐疑的かつ増税に大賛成で、頼みの公明党も財務省寄りの政策スタンスである。安倍総理と菅官房長官が孤軍奮闘という情勢で、このまま予定通り増税が行われたら、再び景気の腰を折られてしまいかねない。この状況を打破する方法として、上念氏は正面突破か、それができなければ2つの裏口に絞られると、具体例を挙げている。
他に、農業、放送・通信、銀行、医療・病院、保育園等を挙げているが、一番関心を引いたのはNHKだった。
内部留保の多過ぎる企業は批判の対象になるが、中でもNHKは桁違いだ。純資産は8000億円以上あり、毎年1000億円以上の受信料が入るが、その大半は使われずに貯め込まれる。
平成29年度中間決算の貸借対照表を見ると、資産1兆2354億円に対し、負債は4014億円と半分以下である。資産の中身はというと、大半が証券であり、それも現金に近い債券ばかりである。NHKは集めた受信料を事業に投資せず、現金で貯め込んでいるに等しいのである。放送事業に使わないなら受信料を値下げするべきだし、今積み上がっている巨額の「現金」は国民に返還すべきではないか。
またNHK職員の平均年収は一般庶民の約2.5倍の1086万円。ここまで厚待遇で職員を雇っても、毎年お金が余り過ぎて巨額の資金が債券購入に回っているのである。どう見ても、NHKは国民に受信料を返還すべきだろう。
では、NHKをどうすればいいかというと、答えは簡単で、国鉄と同じように分割民営化すればいいと、上念氏は高橋洋一氏の案を紹介している。電波オークションの実施に合わせて、「公共放送NHK」と「民間放送NHK」に分割すればいい。「民間放送NHK」になる会社は、相応の対価を支払って電波帯域を競り落とさなければならない。代金は国庫に収納され、財政政策として国民に還元される。「公共放送NHK」の方は、ニュースや災害情報などをメインとするため、大した設備や製作費もかからなくなり、受信料を大幅に値下げできる。
高橋氏によると、NHKの分割案は2005年に検討されたが、当時の自民党守旧派に潰されてしまったとのこと。しかし、今は多くの国民がテレビの偏向報道に気付き、2005年とは状況が大きく異なる。NHKに対して受信料を払いたくないと思う人が増えている。
規制改革推進会議の答申によれば、平成30年度中に電波帯域の利用に関して「価格競争の要素を含む新方式」を導入するための法案が提出されるとのことで、チャンスである。我々国民は政治に力を与えて、政治の力をもって、NHKの分割民営化を進めなければならないと述べている。
2018年10月31日に日本でレビュー済み
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上念先生の本は、結構好きで読んでいます。
本書では「日本の闇(既得権益者の利権)」を暴く、
ありがちな内容です。しかしながら、こういう類の本は、
「では具体的に市民レベルでどうすればいいのか」
「どうすれば既得権益層をなくせるか」の言及や提案、戦略指南が乏しく、
「ただ、暴露してるだけ」で「後は自分で考えろ」で終わります。
上念先生におかれましては、理論から実践にコンバートすべく、
次作でこの辺の具体的な提案を市民の目線でお願いしたいです。
(選挙で~はナシでお願いします・笑)
その続編の期待を込めまして星4つにさせていただきます。
活動、応援しています!
本書では「日本の闇(既得権益者の利権)」を暴く、
ありがちな内容です。しかしながら、こういう類の本は、
「では具体的に市民レベルでどうすればいいのか」
「どうすれば既得権益層をなくせるか」の言及や提案、戦略指南が乏しく、
「ただ、暴露してるだけ」で「後は自分で考えろ」で終わります。
上念先生におかれましては、理論から実践にコンバートすべく、
次作でこの辺の具体的な提案を市民の目線でお願いしたいです。
(選挙で~はナシでお願いします・笑)
その続編の期待を込めまして星4つにさせていただきます。
活動、応援しています!