【Tの視点】我が国・日本のIWC(国際捕鯨委員会)脱退に関する一考察

2019/08/02 17:25
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2019年7月1日、我が国・日本は「商業捕鯨」を31年ぶりに再開した。
1982年にIWC(国際捕鯨委員会)において商業捕鯨モラトリアムが採択され、それをうけて我が国・日本は1988年から商業捕鯨の操業を「中断(=あくまでも一時停止)」していた。
2018年12月、我が国・日本はIWC(国際捕鯨委員会)から脱退(オブザーバーとしての地位は維持)することを正式に表明したことにより、2019年6月30日に離脱の効力・効果が発生し、正式に我が国・日本はIWC(国際捕鯨委員会)から脱退したことになる(オブザーバーとしての地位は維持)。
IWC(国際捕鯨委員会)から脱退(オブザーバーとしての参加は維持)したことにより、離脱の効力・効果が発生した2019年6月30日の翌日、2019年7月1日より、我が国・日本は商業捕鯨を今回、再開した。
我が国・日本は今回、IWC(国際捕鯨委員会)の脱退したことにより操業範囲を「領海」や「排他的経済水域内(EEZ)」とする「商業捕鯨」を再開したが、一方で、IWC(国際捕鯨委員会)を脱退したことにより、我が国・日本の調査捕鯨の道は閉ざされることになった。
1987年以降、我が国・日本が実施してきた南極海・南氷洋や北西太平洋における「調査捕鯨」は「終了」となった。
既に2014年3月31日、オランダのハーグにある国際司法裁判所(ICJ)は、「我が国・日本が南極海で行っている調査捕鯨が国際条約に違反するかどうか」を巡って争われた裁判(2010年にオーストラリア政府が国際司法裁判所・ICJに訴えたケース・事案)において「我が国・日本による現行の方法での調査捕鯨を中止するよう命じる」判決を言い渡しており、我が国・日本は当該判決に従い南極海・南氷洋における調査捕鯨を2014年に中止している。
今回のIWC(国際捕鯨委員会)からの脱退により我が国・日本は、国際司法裁判所の判決を受けて2014年以降「中止」していた「南極海・南氷洋」における調査捕鯨だけでなく、北西太平洋における「調査捕鯨」も併せて、すべての「調査捕鯨」を「終了」することとなった。
31年ぶりとなる「商業捕鯨」の再開に際して水産庁は、商業捕鯨再開の当日である2019年7月1日、それも午前8時(商業捕鯨再開に合わせて出港する捕鯨船)」になってようやく「年間捕獲枠」の詳細を公式に業者に通知した。
今回、水産庁が業者に通知した年間捕獲枠は「計383頭」、内訳、「ミンククジラ、171頭」、「イワシクジラ、25頭」、「ニタリクジラ、187頭」であった。

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