【Tの分析】フランシスコ教皇の来日に関する一考察

2020/02/01 23:16
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2019年11月26日、ローマ教皇フランシスコ猊下は4日間の滞在日程を終えて、帰国の途についた。フランシスコ教皇は1987年に宣教活動視察のために日本を訪れたことがあり、二度目となる今回の来日は教皇としてのものとなった。
ローマ教皇の来日は、1981年のヨハネ・パウロ二世の来日以来、38年ぶり二度目となる。
ヨハネ・パウロ二世の来日の際は、昭和天皇が皇居でヨハネ・パウロ二世と会見している。
今回のローマ教皇フランシスコ猊下の来日では、2019年11月25日、天皇陛下(令和・徳仁天皇陛下)とフランシスコ教皇は皇居・宮殿「竹の間」で会見を行った。
同日(2019年11月25日)、フランシスコ教皇は安倍晋三首相と首相官邸において会談し、その後、フランシスコ教皇は安倍晋三首相とともに在京の各国大使等との集いに出席した。
ローマ教皇フランシスコ猊下は今回の来日で、「被爆地の長崎(爆心地公園等)と広島(平和記念公園等)の訪問」、東京都内の在日本バチカン大使館において「司教(我が国・日本には計16のカトリック教会管区・大司教区、管区・司教区が置かれ、それぞれ大司教・司教が配置されている)等の聖職者との会談」、「東日本大震災の被災者や避難者等との集い」、「日本のカトリック教徒・信者や日本で暮らす外国人(カトリック教徒・信者)等との交流」、「東京ドームにおいて開催されたミサ(約5万人のカトリック教徒・信者が集まった)」、「上智大学(カトリック・イエズス会系)」等を訪れた。
「東京ドームにおいて開催されたミサ(約5万人のカトリック教徒・信者が集まった)」等、来日したフランシスコ教皇の行事の模様は、創設においてバチカン・カトリックが深くかかわったといわれる「文化放送(ラジオ)」が特に特集番組(生中継等)等を組んで報じた。
尚、今回のフランシスコ教皇の来日を機に、カトリック教会の教皇でありバチカン市国の元首であるローマ教皇の我が国・日本の日本語表記がこれまでの「法王」から「教皇」へと変更された。
これまで、バチカンやカトリック教会、そして我が国・日本でキリスト教・カトリックの宗教活動を担うカトッリック教会をはじめとするカトリック系諸団体は、「法王」の表記ではなく「教皇」とすることを我が国・日本政府に求め続けてきた。
その要求が安倍政権においてかなえられたということである。
尚、「法王」といった表記は、どうやら仏教等の影響もあり「法王」といった翻訳・訳語があてられたようである。
「法王」といった表記がずっと外務省を中心に「慣行」として続いてきたといったところのようである。
外務省に倣う形で、我が国・日本のメディアもこれまで「法王」といった翻訳・訳語をあててきた。
官僚制の傾向の一つとして、基本的に前例・前任者の方針を踏襲する傾向が強いことがあげられるが、はるか以前の「前任者」があてた「法王」といった翻訳・訳語はなかなか変更されなかったということであろう。
「法王」表記をやめて「教皇」表記へと変更することを、特に近年、キリスト教徒である「佐藤優」氏(だがカトリックではない)やその影響を強く受けている「鈴木宗男」氏を中心にさかんに主張し、そして外務省・外務官僚や有力政治家等に働きかけていたようだ。実際、佐藤優氏や鈴木宗男氏が直接的に外務省・外務官僚に働きかけたのか?どうか?は、今一つ明確ではない。
メディア等で佐藤優氏や鈴木宗男氏が「教皇」への翻訳・訳語の変更を主張していたことは事実ではある。
可能性としては、佐藤優氏・鈴木宗男氏〜飯島勲氏のラインを通じて安倍首相・首相官邸に「教皇への翻訳・訳語の変更は国益につながる」といったアピール、はたらきかけがなされたことが、「法王」から「教皇」への変更に多少の影響を与えたともいえよう。
過去のいくつかの拙稿、「フランシスコ教皇の訪日に関する一考察」、「補論 フランシスコ教皇の訪日に関する一考察」、「フランシスコ教皇の11月の訪日に関する一考察」等をはじめいくつかの論考においてカトリック、バチカン、ローマ教皇に関して触れてきた。
安倍晋三首相・安倍政権(麻生太郎氏をはじめ安倍政権のインナーサークルにはカトリック教徒・信者が存在)が第二次安倍政権成立を機に、バチカン・カトリック教会・ローマ教皇に積極的にアプローチし、我が国・日本とバチカンの関係の深化や今回のローマ教皇フランシスコ猊下の来日を積極的に働きかけていたことについては過去の拙稿においても既にふれたとおりである。
「法王」から「教皇」への敬称表記の変更が安倍政権でなされたこともそのようなコンテキストからなされた「配慮」といったところであろう。
「敬称表記の変更」の最も大きなファクターは、安倍首相・首相官邸・安倍首相周辺のインナーサークルによる「外交安全保障政策」であるものと思われる。

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