【情報分析官Tの視点】安倍晋三首相の辞任に関する一考察

2020/08/31 17:49
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はじめに

拙稿をご覧いただいております皆々様、いつもご厚情を賜り、大変ありがたく御懇情厚く御礼申し上げます。

2020年8月28日、安倍晋三首相は記者会見で辞任する意向を表明した。
安倍晋三首相は13年前、第一次安倍政権で2007年に持病である潰瘍性大腸炎の悪化を理由に任期途中で辞任・内閣総辞職した。
安倍晋三首相は、10代後半(17歳)に潰瘍性大腸炎が発症したといわれている。
その後、潰瘍性大腸炎は厚生労働省により難病指定されており、現在、およそ22万人の患者が存在するとみられている。
安倍晋三首相は、2012年の自由民主党総裁選挙において、潰瘍性大腸炎に効果的な新薬の開発等もあり、症状が改善、寛解状態にまで回復したと自身の持病について触れている。
なお、寛解時にも投薬治療は継続する必要がある。
安倍晋三首相は、2020年6月の定期健診において、潰瘍性大腸炎の再発の兆候が見られる旨の検診結果を受け、これまでの投薬治療において投与していた薬に新薬の投与も加えた投薬治療を行うことを受け入れた。
安倍晋三首相は、2020年7月半ばより体調に異変が生じ、体力がかなり消耗する状態となり、2020年8月上旬に潰瘍性大腸炎の再発(寛解状態ではなくなる)が確認され、2020年8月17日、24日の検診と診断を受け、辞任の意向を固め旨、説明した。



安倍晋三首相の辞任

現在から考えてみると、安倍首相の辞任の兆候は、新型コロナウイルス感染の前、2019年末〜2020年初頭に既に現れていたようにも思える。
2019年10月の消費税10%増税以降、安倍晋三首相・首相官邸の政治力の低下とそれと相対的に与党の自民党・公明党の政治力の増大といった傾向が決定的(安倍政権への支持の大幅増大が規定できない、挽回が困難な状況)となったのが、2019年末〜2020年初頭であったものと思われる。
安倍晋三首相・首相官邸はレイムダック化してしまい、自民党・公明党の与党、つまり二階氏とその派閥・グループを中心とする自民党・党本部と自公幹部の政治力・影響力が確固としたものとなったと思われる。
安倍政権が完全に二階氏のマリオネット化したといえよう。
だが、新型コロナウイルス感染拡大の問題が、2020年1月中旬以降のの中国(2020年1月23日に中国・武漢市が封鎖)における新型コロナウイルス感染の状況、我が国・日本のクルーズ船への対応等にみられるように
深刻化してしまった。
新型コロナウイルスは、

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