【Tの視点】「プーチンの最期の戦い」

2018/04/02 21:03
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はじめに
   
 今回のロシア大統領選において得票率76.6%(投票率67.9%)といった歴史的な選挙結果でプーチン大統領は通算4選を果たした。だが、この歴史的勝利ともいわれる一方、プーチン大統領の表情は芳しくないことでもわかるように、いわゆる「プーチン・Fatigue(プーチン長期政権疲れ)」、プーチン政権による政治・経済の運営、外交安全保障政策等に関する停滞感やプーチンに対する倦怠感を払拭できないという行き詰まり感がプーチン大統領の表情の陰りを作っているのかもしれない。
 
 「強いロシア」・「ロシアの栄光」を取り戻すことがプーチン政権・プーチン体制の戦略目標であり、その実態は「ロシアの立て直し」、「ロシアの再建・復権」である。だが現実は、「強いロシア」や「ロシアの栄光」の実現は茨の道であり、「ロシアの立て直し」・「ロシアの再建・復権」に向けた死闘を演じているというのが、プーチン体制の現状である。
 
 プーチン体制が対峙しているロシアの国内外を取り巻く「現実」は、それほどまでに厳しいものである。今回の大統領選での勝利により、プーチン氏は首相時を含め、24年間もの長期にわたって事実上のロシアの最高指導者としてその任を担うことになる。
 
 だが、プーチン氏を中心とするプーチン体制といえども、「ソ連崩壊過程期〜プーチン氏が権力を掌握するまでの間」のロシアの混乱期におけるロシアの資産の簒奪・散逸・富の流出や混乱のダメージから、脱却したとは言えない状態に現在のロシアはある。
 
 これからの6年間の大統領任期は、プーチン氏にとっておそらく最期の任期になると思われる。
今回の選挙での勝利によってプーチン氏が得た6年の大統領任期は、「プーチン氏の最期の戦い」ともよべるものになるであろう。

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