読者希望で続く小説「ウルトラ」(プロローグ)

2019/02/08 12:54
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「朝からすみません。新宿警察署の高田といいますが、あなたが二階堂さん、でよろしいですか?」
 
「はぁ、そうですが」
警察からの電話はろくなことがない。前の時は、知り合いが手首を切って石神井側をうろうろしていたので保護した、という電話だった。

警察は、20歳以上の人間の場合、明らかに家出でも、家族に連絡はしない。ただ、本人がのぞめば、知り合いに電話をして、身柄を引き取らせることはある。

そもそも、かかってきたスマホは、限られた50人くらいしか知らない。その番号に警察から電話があるということは、近いものが何らかの事故・事件に巻き込まれていることを意味している。
そんなことを、ほんの一瞬、考えて、頭脳が「危機管理モード」に切り替わった。どんなに疲れていても、緊急事態だと判断すると、すぐに脳がフル回転する。
スマホの時計は、

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