とあるMITのPh.Dによる原発分析レポート第3弾!

2011/04/10 06:29
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原子力災害対策本部の資料についての解釈 日沼洋陽, Ph.D. yoyo.hinuma@gmail.com
 
要旨:
 原子力災害対策本部による資料「平成23年(2011年)福島第一・第二原子力発電所事故について」(平成23年4月5日(19:00)現在)に記載されているデータの分析を試みた。線源が放出された直後には、0.1日程度で指数関数的に減衰する成分(放出直後に拡散する成分と想定される)と、数日程度で指数関数的に減衰する成分(ヨウ素131などの中期的な半減期を持つ線源による成分と考えられる)と、一次関数的な成分(バックグラウンド放射線の他、長期の半減期を持つ線源および一定割合で増加していく線源による放射線が含まれると看做される)が発生する。福島第一原発においては、3月15日深夜、および3月24日に、原因が公表されていない放射性物質の瞬間的な放出があったと推測される。郡山市のモニタリングポストでは、3月24日の夜に機材の較正があったとみられる。福島第二原発のいくつかのモニタリングポストでは4月に入ってから説明のつかない放射線量の減少が観測され、また、福島第二原発のMP4で3月26日以降観測された放射線は、ヨウ素131の崩壊による放射線とバックグラウンド放射線の和で近似できた。
 
0) はじめに
本レポートでは、原子力災害対策本部による資料「平成23年(2011年)福島第一・第二原子力発電所事故について」(平成23年4月5日(19:00)現在)(以下資料)に記載されているデータの分析を行う。目的は、この資料における様々な数値データを比較照合することにより、福島第一・第二原子力発電所から発せられる放射線の解析を行うことである。
 
 本レポートにおける日付については、2011年2月28日(3月「0日」)の深夜0時0分を0とおき、ここからの合計日数である「通算日付」を用いる。たとえば、2011年3月1日の深夜0時0分は1、たとえば3月2日の午前6時を2.25、3月31日の正午を31.5、4月1日の深夜0時0分を32、4月5日の正午を36.5とする。
線量率の経時変化の近似について、および「寿命」の定義については、「付録:放射線線量の経時変化」を参照されたい。
 

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