【Tの視点】補論 加計学園の獣医学科新設問題に関する一考察と「IR実施法案」の今後の動向

2018/05/22 16:32
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はじめに

2018年6月20日の国会(常会・通常国会)会期末と会期延長を巡って、いよいよ今国会の与野党の攻防戦の山場を迎えた感がある。
そのことを象徴する鬨の声のように、「TPP11(米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定)の承認案」が2018年5月18日の衆院外務委員会で可決、同日中に衆院本会議に上程され、衆院本会議において賛成多数で可決、通過した。
その同日、2018年6月18日の午後に衆院内閣委において、「TPP11(米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定)」の協定発効にともなう関連諸法案(条約・国際法と国内法の調整)、IR実施法案に関するギャンブル依存症対策基本法案等の審議入りが決定された(内閣委員会委員長の決定により)。
これらの与党の動きに対し野党(立憲民主党等の野党5党)は、「TPP11(米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定)」を所管・担当する茂木敏充経済再生相の不信任決議案を衆院に提出した。
2018年5月22日に予定されている衆院本会議において、当該「茂木敏充経済再生相の不信任決議案」は採決に付される模様である。
当該「茂木敏充経済再生相の不信任決議案」の否決が、残り約一か月となった今国会会期の本格的な攻防戦を告げる号砲となる。
当該「茂木敏充経済再生相の不信任決議案」の提出は、野党がだしたかなり重いカードであり、「内閣不信任決議案」の提出をちらつかせるものとなっている。
今後の約一か月(事実上、6月12日に予定されている米朝首脳会談の前後までが山場か?)、国際情勢の変化への対応(外交残全保障政策)、国内政治情勢(特定勢力の与党からの分裂・離脱、野党再編、野党の選挙協力等)、各種法案の修正・微調整、国会会期の延長、衆院・解散等を巡って、永田町・霞ヶ関では激しい攻防戦が繰り広げられるであろう。

今後の国会では、働き方改革関連法案やカジノ実施法案等の各種法案が焦点(特にIR実施法案が焦点)となり、それらの法案を巡る攻防や永田町・霞ヶ関における権力を巡る闘争において、森友学園・加計学園問題、自衛隊・日報問題、北朝鮮情勢等の外交安全保障問題等が今後も政治利用されてゆくことは予想に難くない。

これらは政治における表層や中深部の流れであり、第二次安倍政権成立以降の我が国の政治の最深部では、「憲法改正(外交安全保障問題)」と「財政(税制=増税・財政支出の削減・国公債の処理)」を巡る深層海流が流れているものと思われる。

以上の現下の政治情勢を見る際、拙稿「加計学園の獣医学科新設問題に関する一考察」での議論を「補助線」としてみると、今後の各種法案の動向や永田町・霞ヶ関の動向を見る上でより輪郭線が明確になるものと思われる。

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