朝方のテレビ株番組では、26日本日のコンセンサスとして語られていたストーリーが、「権利つき最終の売買日であり、引けにかけて盛り上がる(のではないか)」とされ、さらには配当金ぶんの再投資もあるので、などとその具体的な投資額まで語るなどまことしやかに噂され、それこそ「弱気」とは言えない前評判だったかと思います。 ところが、その値動きは<O:12390 H:12480 L:12360 C:12370>となり パターンも「やや弱い」形となり前評判はまたしても投資家を裏切る形となりました。 ただ、マーケットに対しては素朴に「なんで?そこまで萎縮する?」と言いたいほどで、ニュースを見てみると、「欧州懸念が再燃し〜〜」なるタイトル。ユーロが円高に振れて先物主導により下落したとありました。 「はあ?」(笑)。 FX!は日足チャートでも一目瞭然で、むしろ文字通りの「しっかり」ではないのか? 執筆時は、<ドル/円 (分足 日中) [16:56] → ▲0.13 +0.12 94.28/ユーロ/円 [16:56] →▲0.24 +0.28 121.33/ユーロ/ドル [16:56] → ▲0.12 +0.0015 1.2869>とむしろ底固く推移しているといった方が良いのではないか、なわけです。 逆に、事実すら伝えられないニュースならばその価値すら疑われることになりそうです。 独自解析では明日27日が今週でもっとも注目したい日ですから、値動きからそのきっかけでもわかりやすく示してくれないかと思いましたが、肝心のマーケットがピンぼけで、気の抜けたビール、魂の感じられない動きでした。 つまり東京タイムではその旗降り人としてのメジャープレイヤーの姿勢が迷走していたのであり、その迷走ぶりを欧州に擦り付けたり、ユーロに擦り付けたりする姿勢こそが問題ではないかと思ったものです。 東京市場の頓珍漢ぶりが露になった瞬間でもあったでしょう。これはしばしば目にする光景で、目的に向かっての準備、布石がふらふらしている世界でもあまり目にすることがない珍しい市場と言っても良いかもしれません。 例えば、「明日は冬型の気圧配置になり寒くなりそうです」という情報に対して、「ですので、半袖を用意しました」だとか、「息子は数学や理科が得意でねえ」に対して「ですので、文科系の文学部やそっち方面に進ませようか」といった、いっこいっこ「はあ?」と疑問を抱かせる行為(=値動き)が多いわけです。 「ですので〜」がピンと来ないマーケットなのです。 で、「どうして半袖なんですか?」と尋ねると、「いや、君ぃ、アメリカがね…」などと続けられるわけですから、なんの話をしているんだか、もう開いた口もふさがりません(笑)。 さて、むしろ夜間の方がまともにマーケットとの会話は成り立ちそうです。東京タイムより欧米タイムがまともな感性で取り組めそうですが、これはこれで悲しくもありますね。 早速、最新のシグナル(事前戦略、本来あるべき基本的投資マインド→スタンス、本来あるべき基本的考え方、心構え)、見てみましょうか。 《225F》26日のナイトセッションstrategy J-GATE(超短期波動) 変化済み:買い レベル4☆☆☆☆ ※シグナル変化によりこのナイトセッションの寄り付きから買いポジ構築がスタートしています。前倒しの評価なら日中の大引け午後3時の12370を捕まえたいと思ったものですが、ナイトセッションは<O:12420 H:* L:* C:*>と高く寄り付いています。少々残念ですが、もうしばらくこのタイミングで推進してみます。 SWING(短中期波動) 買い→売りへの過渡期 ※明日27日の午後3時はこのままの推移なら「売りポジ構築」が始まります。 《OPTION/e-Warrant》 変化:put買い意識 レベル2★★、but… ※「乱高下しそうだな」の解析結果です。最終的には売られやすいと見ますが、換言すれば「翻弄されやすい」とも言えますから、やはりタイミング重視でしょう。また、but…の意味はすぐ後ろにまた「再変化:call意識」が控えているためです。さらに言えば、中期波動(1週間〜3週間程度)ですらこれですから、<不安定極まりなしで節操のない値動きが予想される>と これは言えそうです。 バトルポイント 12670 12550 12430 12403←コアポイント 12400 12290 12170 ※わかりづらくしてしまうのが、本日の「好評のマーケット珍味度判定」です。やはりタイムラグとの勝負、タイミング次第で明暗!ということなのでしょうが、本日のそれはズバリ!<マズイ/食えない/レベル1★/買えない≒売り、レベル1★>となったものです。土台がとりあえずputですから、先物との合成で考えても、超短期波動対応は、よくて【押し目買い型】です。「下がるので、」「ならば先物は買う」の2つが揃ってはじめて条件を満たします。その意味からはナイトセッションの12420は、12370に比して上がっての始まりですから、これだけでマーケットは「間違えて高寄りした」、または「無理して高寄りした」とも言えます。 また、一時的とはいえ、短中期波動対応では<先物売り+put>となりあの【暴落型】ですから、これは明日以降が気になります。 月末接近の思惑のぶつかり合い、権利取りは本日26日が最終でした。明日はそれこそマーケットが「脱け殻」のように 今後の先高感を占う意味合いでも注目です。またまた「」を即日で埋められるかどうかも注目です。 本格調整の始まりかどうかがある程度はこれで読めるでしょう。 奇しくも私的に好きなアノマリー、たしか今晩は「満月」ではなかったでしょうか。相場の世界での満月、新月の相場の変わり目説は侮れないと思います。 月のしずく RUI http://www.youtube.com/watch?v=NTe3CUmDRig 〜〜気になるニュース〜 〓日経平均反落、欧州懸念の再燃で一時的にリスク回避 ロイター [3/26 15:27] 3月26日、東京株式市場で日経平均は反落。ユーロ圏財務相会合議長のキプロス支援策に関する発言を受けて欧州情勢をめぐる懸念が再燃し、一時的なリスク回避の動きとなった。写真は12日、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino) 以下略 〜〜気になるニュース〜 ニュース本文 神経質な相場続く、キプロス問題と日銀緩和期待の狭間で [2013/03/26 17:10] 〓記事の写真 [東京 26日 ロイター] マーケットでは欧州情勢に神経質な展開が続いている。キプロス支援策の合意は好感されたものの、ユーロ圏の危機解決に向けた新たなモデルになるとのユーログループ議長発言で不安が再燃。後に否定されたものの、「本音」ではないかとの疑いが消えない。 新生日銀による緩和期待が根強く円債金利は一段と低下しているが、日本株やユーロ/円は不安定な動きとなっている。 <晴れない「疑い」> 「本音に違いない」(国内大手銀行のマーケット担当者)──。ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)のダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は25日、キプロス支援の下での銀行のリストラ計画について、ユーロ圏銀行危機の解決に向けた新たなモデルになると発言。預金者負担を求めたキプロス支援策が他国にも適用されるとの懸念が強まり、欧米の株価は急落した。 議長はその後、自身の発言について、キプロスは例外的な課題を伴う特殊なケースで、合意した内容のベイルイン措置が必要だったと指摘。マクロ経済の調整プログラムは当該国の状況に応じて策定されるもので、モデルや枠組みなどは活用されないと説明し、株価も戻った。だが「(ダイセルブルーム議長が財務相を務める)オランダの銀行は比較的健全だ。重債務国の救済は当該国の預金者などが負担すべきとの考えがあるのではないか」(前出のマーケット担当者)と市場の「疑い」は晴れてない。 キプロス支援策では、普通社債の保有者も損失を負担することが決まったことも、市場関係者にショックを与えている。通常、負担の順番としては、銀行の資本、エクイティ(株式)、劣後債、普通債、預金、となる。これまでのユーロ圏の救済計画では、劣後債保有者への負担が一部であったが、普通債や預金への負担は求めれられてこなかった。 三菱東京UFJ銀行・金融市場部戦略トレーディンググループ次長の今井健一氏は「預金者だけでなく、普通社債の保有者も警戒を強め、債務問題を抱える国から安全な国に資金を移動させようとする動きが強まる可能性もある。銀行同盟など救済処理の統一ルールを早く作って投資家の不安を抑えるべきだ」と指摘する。 投資家に不安が広がるなか、ユーロは下落。ユーロ/円も120円台後半まで軟化した。株式市場では、きょう26日は3月決算銘柄の配当権利付き最終売買日であったが、円高を嫌気し日経平均<.N225>も反落した。「リミット付きの注文が増えてきた。投資家の慎重姿勢がうかがえる」(外資系証券トレーダー)という。 <日銀への期待で円債金利は一段と低下> ただ、現時点では昨年までのように欧州問題で市場センチメントが崩れ、リスクオフが強まる展開にはなっていない。米経済などが堅調であるほか、新生日銀による積極的な金融緩和への期待も依然として高いためだ。「ユーロ圏では金融緩和期待も強まってきたが、経済が堅調な米国には早期緩和縮小観測がくすぶる。短期的な調整があったとしても、日銀が積極的な緩和を続ければ長期的な円安傾向は続くだろう」と東海東京調査センターのシニアストラテジスト、柴田秀樹氏は話す。ユーロ/円に押されているものの、ドル/円は94円後半で踏みとどまっている。 日本株も調整色は強くなっているが、海外勢の押し目買いは継続中だ。「日本株を買えていない海外の長期投資家はまだ多い。4月3─4日の日銀決定会合で材料出尽くしになるとの見方もあるが、緩和継続をうまくアピールすれば期待は維持できるとの声も増えてきた。少なくとも参議院選挙までは自民党は景気を腰折れさせるようなことはしないとの安心感もある」(東洋証券・投資情報部ストラテジストの土田祐也氏)という。 黒田東彦日銀総裁は26日の衆院財務金融委員会で、2%の物価上昇率目標の早期達成に向けて、質・量両面で大胆な金融緩和を推進する決意をあらためて表明し、残存期間5年超の国債買い入れも念頭にイールドカーブ全体の低下を促していく考えを示した。 日銀の緩和期待を最も直接的に反映させている円債市場では、国債先物が最高値を更新。10年長期金利は一時2003年6月以来の0.525%に低下した。超長期ゾーンも、序盤は調整地合いだったが、日銀総裁発言で利回りには低下圧力がかかり、20年債利回りは2003年7月、30年債利回りは2010年8月各以来の水準に低下した。 RBS証券チーフ債券ストラテジストの福永顕人氏は、「黒田日銀総裁は『マネタリーベース拡大は必要だが十分ではない、質的な緩和を行うことが重要』と発言している。『量』そのものよりは『質』、つまり買い入れ対象の中身を重視し、特に買い入れる長い年限のウエートが多くなるのではないかという期待が強くなってきている」と分析している。 (ロイターニュース 伊賀大記;編集 吉瀬邦彦)
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朝方のテレビ株番組では、26日本日のコンセンサスとして語られていたストーリーが、「権利つき最終の売買日であり、引けにかけて盛り上がる(のではないか)」とされ、さらには配当金ぶんの再投資もあるので、などとその具体的な投資額まで語るなどまことしやかに噂され、それこそ「弱気」とは言えない前評判だったかと思います。
ところが、その値動きは<O:12390 H:12480 L:12360 C:12370>となり パターンも「やや弱い」形となり前評判はまたしても投資家を裏切る形となりました。
ただ、マーケットに対しては素朴に「なんで?そこまで萎縮する?」と言いたいほどで、ニュースを見てみると、「欧州懸念が再燃し〜〜」なるタイトル。ユーロが円高に振れて先物主導により下落したとありました。
「はあ?」(笑)。
FX!は日足チャートでも一目瞭然で、むしろ文字通りの「しっかり」ではないのか? 執筆時は、<ドル/円 (分足 日中) [16:56] → ▲0.13 +0.12 94.28/ユーロ/円 [16:56] →▲0.24 +0.28 121.33/ユーロ/ドル [16:56] → ▲0.12 +0.0015 1.2869>とむしろ底固く推移しているといった方が良いのではないか、なわけです。
逆に、事実すら伝えられないニュースならばその価値すら疑われることになりそうです。
独自解析では明日27日が今週でもっとも注目したい日ですから、値動きからそのきっかけでもわかりやすく示してくれないかと思いましたが、肝心のマーケットがピンぼけで、気の抜けたビール、魂の感じられない動きでした。
つまり東京タイムではその旗降り人としてのメジャープレイヤーの姿勢が迷走していたのであり、その迷走ぶりを欧州に擦り付けたり、ユーロに擦り付けたりする姿勢こそが問題ではないかと思ったものです。
東京市場の頓珍漢ぶりが露になった瞬間でもあったでしょう。これはしばしば目にする光景で、目的に向かっての準備、布石がふらふらしている世界でもあまり目にすることがない珍しい市場と言っても良いかもしれません。
例えば、「明日は冬型の気圧配置になり寒くなりそうです」という情報に対して、「ですので、半袖を用意しました」だとか、「息子は数学や理科が得意でねえ」に対して「ですので、文科系の文学部やそっち方面に進ませようか」といった、いっこいっこ「はあ?」と疑問を抱かせる行為(=値動き)が多いわけです。
「ですので〜」がピンと来ないマーケットなのです。
で、「どうして半袖なんですか?」と尋ねると、「いや、君ぃ、アメリカがね…」などと続けられるわけですから、なんの話をしているんだか、もう開いた口もふさがりません(笑)。
さて、むしろ夜間の方がまともにマーケットとの会話は成り立ちそうです。東京タイムより欧米タイムがまともな感性で取り組めそうですが、これはこれで悲しくもありますね。
早速、最新のシグナル(事前戦略、本来あるべき基本的投資マインド→スタンス、本来あるべき基本的考え方、心構え)、見てみましょうか。
《225F》26日のナイトセッションstrategy
J-GATE(超短期波動)
変化済み:買い
レベル4☆☆☆☆
※シグナル変化によりこのナイトセッションの寄り付きから買いポジ構築がスタートしています。前倒しの評価なら日中の大引け午後3時の12370を捕まえたいと思ったものですが、ナイトセッションは<O:12420 H:* L:* C:*>と高く寄り付いています。少々残念ですが、もうしばらくこのタイミングで推進してみます。
SWING(短中期波動)
買い→売りへの過渡期
※明日27日の午後3時はこのままの推移なら「売りポジ構築」が始まります。
《OPTION/e-Warrant》
変化:put買い意識
レベル2★★、but…
※「乱高下しそうだな」の解析結果です。最終的には売られやすいと見ますが、換言すれば「翻弄されやすい」とも言えますから、やはりタイミング重視でしょう。また、but…の意味はすぐ後ろにまた「再変化:call意識」が控えているためです。さらに言えば、中期波動(1週間〜3週間程度)ですらこれですから、<不安定極まりなしで節操のない値動きが予想される>と これは言えそうです。
バトルポイント
12670
12550
12430
12403←コアポイント
12400
12290
12170
※わかりづらくしてしまうのが、本日の「好評のマーケット珍味度判定」です。やはりタイムラグとの勝負、タイミング次第で明暗!ということなのでしょうが、本日のそれはズバリ!<マズイ/食えない/レベル1★/買えない≒売り、レベル1★>となったものです。土台がとりあえずputですから、先物との合成で考えても、超短期波動対応は、よくて【押し目買い型】です。「下がるので、」「ならば先物は買う」の2つが揃ってはじめて条件を満たします。その意味からはナイトセッションの12420は、12370に比して上がっての始まりですから、これだけでマーケットは「間違えて高寄りした」、または「無理して高寄りした」とも言えます。
また、一時的とはいえ、短中期波動対応では<先物売り+put>となりあの【暴落型】ですから、これは明日以降が気になります。
月末接近の思惑のぶつかり合い、権利取りは本日26日が最終でした。明日はそれこそマーケットが「脱け殻」のように 今後の先高感を占う意味合いでも注目です。またまた「」を即日で埋められるかどうかも注目です。
本格調整の始まりかどうかがある程度はこれで読めるでしょう。
奇しくも私的に好きなアノマリー、たしか今晩は「満月」ではなかったでしょうか。相場の世界での満月、新月の相場の変わり目説は侮れないと思います。
月のしずく
RUI
http://www.youtube.com/watch?v=NTe3CUmDRig
〜〜気になるニュース〜
〓日経平均反落、欧州懸念の再燃で一時的にリスク回避
ロイター [3/26 15:27]
3月26日、東京株式市場で日経平均は反落。ユーロ圏財務相会合議長のキプロス支援策に関する発言を受けて欧州情勢をめぐる懸念が再燃し、一時的なリスク回避の動きとなった。写真は12日、都内で撮影(2013年 ロイター/Yuya Shino)
以下略
〜〜気になるニュース〜
ニュース本文
神経質な相場続く、キプロス問題と日銀緩和期待の狭間で
[2013/03/26 17:10]
〓記事の写真
[東京 26日 ロイター] マーケットでは欧州情勢に神経質な展開が続いている。キプロス支援策の合意は好感されたものの、ユーロ圏の危機解決に向けた新たなモデルになるとのユーログループ議長発言で不安が再燃。後に否定されたものの、「本音」ではないかとの疑いが消えない。
新生日銀による緩和期待が根強く円債金利は一段と低下しているが、日本株やユーロ/円は不安定な動きとなっている。
<晴れない「疑い」>
「本音に違いない」(国内大手銀行のマーケット担当者)──。ユーログループ(ユーロ圏財務相会合)のダイセルブルーム議長(オランダ財務相)は25日、キプロス支援の下での銀行のリストラ計画について、ユーロ圏銀行危機の解決に向けた新たなモデルになると発言。預金者負担を求めたキプロス支援策が他国にも適用されるとの懸念が強まり、欧米の株価は急落した。
議長はその後、自身の発言について、キプロスは例外的な課題を伴う特殊なケースで、合意した内容のベイルイン措置が必要だったと指摘。マクロ経済の調整プログラムは当該国の状況に応じて策定されるもので、モデルや枠組みなどは活用されないと説明し、株価も戻った。だが「(ダイセルブルーム議長が財務相を務める)オランダの銀行は比較的健全だ。重債務国の救済は当該国の預金者などが負担すべきとの考えがあるのではないか」(前出のマーケット担当者)と市場の「疑い」は晴れてない。
キプロス支援策では、普通社債の保有者も損失を負担することが決まったことも、市場関係者にショックを与えている。通常、負担の順番としては、銀行の資本、エクイティ(株式)、劣後債、普通債、預金、となる。これまでのユーロ圏の救済計画では、劣後債保有者への負担が一部であったが、普通債や預金への負担は求めれられてこなかった。
三菱東京UFJ銀行・金融市場部戦略トレーディンググループ次長の今井健一氏は「預金者だけでなく、普通社債の保有者も警戒を強め、債務問題を抱える国から安全な国に資金を移動させようとする動きが強まる可能性もある。銀行同盟など救済処理の統一ルールを早く作って投資家の不安を抑えるべきだ」と指摘する。
投資家に不安が広がるなか、ユーロは下落。ユーロ/円も120円台後半まで軟化した。株式市場では、きょう26日は3月決算銘柄の配当権利付き最終売買日であったが、円高を嫌気し日経平均<.N225>も反落した。「リミット付きの注文が増えてきた。投資家の慎重姿勢がうかがえる」(外資系証券トレーダー)という。
<日銀への期待で円債金利は一段と低下>
ただ、現時点では昨年までのように欧州問題で市場センチメントが崩れ、リスクオフが強まる展開にはなっていない。米経済などが堅調であるほか、新生日銀による積極的な金融緩和への期待も依然として高いためだ。「ユーロ圏では金融緩和期待も強まってきたが、経済が堅調な米国には早期緩和縮小観測がくすぶる。短期的な調整があったとしても、日銀が積極的な緩和を続ければ長期的な円安傾向は続くだろう」と東海東京調査センターのシニアストラテジスト、柴田秀樹氏は話す。ユーロ/円に押されているものの、ドル/円は94円後半で踏みとどまっている。
日本株も調整色は強くなっているが、海外勢の押し目買いは継続中だ。「日本株を買えていない海外の長期投資家はまだ多い。4月3─4日の日銀決定会合で材料出尽くしになるとの見方もあるが、緩和継続をうまくアピールすれば期待は維持できるとの声も増えてきた。少なくとも参議院選挙までは自民党は景気を腰折れさせるようなことはしないとの安心感もある」(東洋証券・投資情報部ストラテジストの土田祐也氏)という。
黒田東彦日銀総裁は26日の衆院財務金融委員会で、2%の物価上昇率目標の早期達成に向けて、質・量両面で大胆な金融緩和を推進する決意をあらためて表明し、残存期間5年超の国債買い入れも念頭にイールドカーブ全体の低下を促していく考えを示した。
日銀の緩和期待を最も直接的に反映させている円債市場では、国債先物が最高値を更新。10年長期金利は一時2003年6月以来の0.525%に低下した。超長期ゾーンも、序盤は調整地合いだったが、日銀総裁発言で利回りには低下圧力がかかり、20年債利回りは2003年7月、30年債利回りは2010年8月各以来の水準に低下した。
RBS証券チーフ債券ストラテジストの福永顕人氏は、「黒田日銀総裁は『マネタリーベース拡大は必要だが十分ではない、質的な緩和を行うことが重要』と発言している。『量』そのものよりは『質』、つまり買い入れ対象の中身を重視し、特に買い入れる長い年限のウエートが多くなるのではないかという期待が強くなってきている」と分析している。
(ロイターニュース 伊賀大記;編集 吉瀬邦彦)