【インテリジェンス・J】三菱東京はなぜ政府に反旗を翻したか?

2016/06/14 10:57
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「三菱東京UFJ銀行のプライマリー・ディーラー(国債入札の特別資格)返上の検討」をめぐる一連の騒動に関する一考察。
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はじめに

2016年6月10日、三菱東京UFJ銀行の「小山田隆」頭取が大阪銀行協会会長の就任会見をおこなった。
会見では、「国債入札で優遇措置を受けられる特別資格(国債市場特別参加者、プライマリー・ディーラー、PD)」を三菱東京UFJ銀行が返上するかについての「小山田隆」頭取の回答に注目が集まった。

小山田頭取は「プライマリー・ディーラー」の返上について、「さまざまな観点から検討している」と回答。
そして、特別資格に一定額の落札が義務付けられていることを念頭に、「マイナス金利化」が進んでいるなかで利ざやが圧縮され、「プライマリー・ディーラーとしての国債の落札業務をすべて履行するのは難しい環境であると述べた。

だが、小山田頭取は以下のコメントも加えた。
「三菱東京UFJ銀行は国債の安定消化や国債市場の流動性を高めることを通じて、国債市場全体の発展に貢献していく」という姿勢は変わらないこと。
「仮にプライマリー・ディーラーの資格を返上しても三菱東京UFJ銀行は国債入札に参加し続ける」という姿勢であること。
この二点を強調することを小山田頭取は忘れなかった。

結局、小山田頭取はプライマリー・ディーラーの「返上の是非」や「返上する時期」については「すみやかに判断していきたい」と述べるにとどまった。

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