イギリスという変な国

2017/07/07 18:30
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はじめに


2017年6月26日、メイ英首相が率いる英保守党は、北アイルランドの民主統一党(DUP)と「閣外協力」について正式に合意した。
英保守党と民主統一党(DUP)との今回の「閣外協力の合意」のポイントは、大きく四つ。

(1)メイ政権が起草した「エリザベス女王陛下の読み上げた施政方針演説」や予算案に関し、DUP(民主統一党)は英保守党を支持する。

(2)EU離脱関連の諸法案に関して、DUP(民主統一党)は英保守党を支持する。

(3)北アイルランド関連予算に関するDUPの政策を英保守党は受け入れ、その予算に伴う政策や関連法案の実現と立法化に英保守党は責任を持つ。
具体的には北アイルランドにおけるインフラ、医療や教育に関する予算、およそ10億ポンド(1420億円)を増額。

(4)北アイルランドにおける法人税率の設定に関する権限の北アイルランド政府への移譲を実施する。


大きく以上の四点を見ると、北アイルランド関連の英国政府の予算の拡大や北アイルランドへの企業誘致の活性化を狙って北アイルランドの法人税を引き下げ等の権限を北アイルランドへ委譲することを求めてきた民主統一党(DUP)の成果は大きい。
今回の選挙で2議席増やし、10議席を獲得したとはいっても、民主統一党(DUP)にとって、今回の「閣外協力の合意」によって引き出した「成果」は、現在の英国の政治情勢(英保守党の迷走、EU離脱問題、選挙の敗北等々)、そして北アイルランド問題が比較的安定しているといった状況でなければ、この「成果」を得ることはできなかったと思われる。
メイ英首相がかなり妥協・譲歩したことがうかがわれる。

ところで、

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