「チャイナ・セブン」から「チャイナ・ファイヴ」へ 中国・パナマ国交樹立に関する一考察

2017/06/26 15:46
cd0b792bf5ed

 2017年6月13日、北京・中国で中国の王毅外相とパナマのサイマロ副大統領兼外相は国交を樹立する共同声明に署名した。
 パナマは、1909年に清朝と外交関係をむすび、清朝後はその外交関係を台湾の国府との間で継続する形をとっていた。
 だが今回、いよいよパナマはその方針を変更した。
 パナマはいわゆる「一つの中国」を容認し、公式の外交関係を「台北・台湾・国府」から「北京・中国・共産党」へと変更することを決断をした。同日、パナマのバレラ大統領が「中国と外交関係を樹立する共同声明への署名」をテレビの演説で発表した。台湾へ「断交」を通告したのはそのテレビ演説の約40分前だった。
中国・パナマの国交樹立は台湾・パナマの断交を意味し、台湾がダメージを受けることは言うまでもない。
だが、民間レベル・経済レベルでは一般にイメージされているほどの大きなダメージやインパクトはないものと思われる。
 
 そもそも中国・パナマの国交樹立は時間の問題だといわれており、ポイントはその「タイミング」だといわれていた。
 近年の中国のパナマへの経済協力・投資攻勢や中国のニカラグアの新運河建設への動きがあったからだ。そして昨年のパナマ運河拡張工事後、最初に通航したのが中国のコンテナ船であった時点で、「中国・パナマの国交樹立」は予想されていたことだった。

この記事は会員限定です。サイトにログインが必要となります。

「インテリジェンス」の最新記事

アクセスランキング