「六か国協議再開に向けた動き」

2017/03/02 13:11
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はじめに

北朝鮮問題を巡る中国の動きがあわただしくなっている。
2017年2月28日、北朝鮮の「李吉聖(リ・ギルソン)」外務次官が中国・北京入りした。北朝鮮の「李吉聖(リ・ギルソン)」外務次官は、2月28日〜3月8日の日程で北京に滞在し、「王毅」外相(中国)等と会談する予定だ。
中国外務省側の発表によると、「中国側の招きで北朝鮮の李吉聖(リ・ギルソン)外務次官が北京入り」したとのことだ。
中国側の説明によると「中朝関係の諸問題に加え、中朝両国が関心を持つ国際的問題や地域的問題についての意見交換」が目的とのこと。
中国の対北朝鮮関連の動きがあわただしいものになっている。

2017年2月27日、楊・国務院委員(副首相級・外交トップ)はワシントンDCを訪問。トランプ米大統領等と会談を行った。
米国側は、マクマスター安全保障担当大統領補佐官、バノン主席戦略官・上級顧問、クシュナー大統領上席顧問等との会談もセッティングした。
この楊・中国国務院委員への米国側の対応は、2月18日に中国が発表した国連安保制裁決議や米国の要請を強く受けていた北朝鮮への強い対応としての「北朝鮮からの石炭の年内輸入の停止」を米国側が評価したことによる。

また、中国外務省のスポークスマンは、2017年2月28日に中国・北京で孔・外務次官補とロシアの六か国協議担当のモルグロフ外務次官が会談することを発表している。
孔・外務次官補(中)とモルグロフ外務次官(露)の会談では北朝鮮問題も話し合われることも発表している。

以上のようにここ直近の動きを見ただけでも、中国の北朝鮮関連を巡る積極的な動きが目立つのがわかる。
北朝鮮によるミサイル発射を機に、あからさまに中国が動き始めている。

G20に急遽出席した中国の王毅外相はG20の場を利用して各国の外相との会談等をこなしたが、それらのさまざまな会談でも北朝鮮問題も話あわれている。
特に注目すべきものとしては、2月16日での中露外相会談で北朝鮮問題に関して「対話再開へ努力」が確認されていることだ。

中国だけではなく、日・米・韓の北朝鮮を巡る動きもあわただしくなっており、2017年2月16日の日米韓外相会談では「日米韓の連携」が確認され、2月27日にワシントンDCでは北朝鮮の核問題等を巡る六か国協議の日米韓首席代表の会合がもたれている。
特に、2008年に米国務省は北朝鮮のテロ国家指定を解除しているが、「北朝鮮のテロ支援国家再指定の検討」について議題となったようだ。


今後の北朝鮮問題とともに今後の東アジア地域情勢・地域秩序を巡って、関係各国が一気に動き出した観がある。

具体的には、近い将来、「六か国協議の再開」となる可能性が高い。
既に「六か国協議の再開」の流れとなっており、日・米・韓・中・露、そして北朝鮮の間で、「どのような東アジア情勢下」で「どのようなタイミング」で「六か国協議の再開」をするかを巡る駆け引きが激しくなっているものと考えられる。

様々な戦略環境や条件が整ったなら、早ければこの春、4月ころには目に見える形で「六か国協議再開」の動きがあらわれてくる可能性が高いものと思われる。

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